軽自動車の規格とは?普通自動車との具体的な違いについても解説!
「どこまでが軽自動車?」「他の自動車と何が違うの?」軽自動車という言葉を日常的に使っていても、具体的な基準までは知らない方も多いのではないでしょうか。この記事では、軽自動車の規格について解説します。軽自動車の規格が定められている理由や普通自動車との具体的な違いについてもまとめたので、ぜひ車選びの参考にしてください。
軽自動車の規格
軽自動車は、道路運送車両法によって明確に定義されている日本独自の自動車規格です。排気量・車体サイズで以下の基準をクリアする必要があります。
排気量
軽自動車の排気量は、660cc以下と定められています。排気量とは、ガソリンの燃焼に使用されるシリンダー容積を合計した数値のこと。排気量が多いほど短時間で燃やせる燃料の量が増えるので、よりパワーのある自動車だといえます。
重量の重いトラックやバス、加速に強いスポーツカーなどでは排気量が高くなる傾向にあります。反対に、軽自動車は自動車の中ではもっとも排気量が少ない規格となっており、パワーの面では普通自動車に劣るといえるでしょう。
車体の大きさ
軽自動車の車体の大きさは、長さ3.40メートル以下、幅1.48メートル以下、高さ2.00メートル以下に定められています。こちらには三輪自動車と四輪自動車を含みます。軽自動車でも車内空間をなるべく広く取りたいというニーズから、現在販売されている軽自動車は規格ギリギリのサイズの車種がほとんどです。
また、軽自動車の規格は昭和24年の制定以来、改正を繰り返しています。制定時から現在にかけて、規格の排気量や車体サイズは徐々に拡大してきました。そのため、自動車の製造された年によっては、現在の規格には当てはまらない軽自動車も存在しています。
軽自動車の排気量が上げられないのはなぜ?
軽自動車とそれ以外の自動車を明確に区分するために、軽自動車の排気量の上限を上げることはできません。軽自動車よりも排気量の大きい自動車は、小型自動車(コンパクトカー)として定義されています。小型自動車の排気量は661cc以上2,000cc以下と定められているため、軽自動車の排気量の基準値を1ccでも上回ると小型自動車として扱われるのです。
小型自動車は、「街乗りしやすいコンパクトなサイズが使い勝手がよいけれど、それなりにパワーも欲しい」といったドライバーのニーズに合わせて普及してきました。軽自動車に魅力を感じているけれど排気量の面で不満がある、という方に人気の自動車です。反対に、自動車にそれほどパワーを求めない方に向いているのが軽自動車だといえるでしょう。
排気量が少ないことは、デメリットばかりではありません。軽自動車は排気量が少ないという理由からさまざまな優遇措置がとられています。たとえば車検時に支払う自動車重量税でも、軽自動車は優遇されているのです。
車検は定期的に受けることを義務付けられています。維持費を安く抑えることにつながるため、長い目で見ると非常に大きなメリットだといえるでしょう。しかし、排気量を上げてしまうと軽自動車の規格から外れてしまい、軽自動車ならではのメリットも失われてしまうのです。自動車の種類を明確に分けるためにも、税金面で優遇措置を継続するためにも、排気量の上限は必要なのです。
軽自動車の規格は普通自動車と何が違う?
軽自動車と普通自動車の規格は、排気量と車体サイズが異なります。ここでは、普通自動車の規格についてふれながら、軽自動車と普通自動車で得られるメリットの違いについても解説します。
普通自動車の規格
普通自動車とは、軽自動車や小型自動車の規格基準にあてはまらない普通車のことをいいます。小型自動車の規格は、排気量2,000cc以下、全長4.70メートル以下、全幅1.70メートル以下、全高2.00メートル以下です。どれか一つでも規格を上回る自動車であれば、小型自動車の規格からはずれ普通自動車と定義されます。
普通自動車のメリット
普通自動車は軽自動車とくらべると排気量が大きいため、パワーがあるのがメリットです。人や荷物を多く載せた状態でもパワーが衰えにくく、高速道路などでの加速もスムーズです。また、車体サイズが軽自動車よりも大きいため車内空間を広く取ることができます。ゆったりした乗り心地になり、ドライブが快適になるのも魅力だといえるでしょう。
軽自動車のメリット
軽自動車は車体サイズが小さく、全長は3.40メートル以下となっています。そのため前輪と後輪の間隔が狭く、小回りがききやすい点がメリットです。曲がり角の多い市街地でも楽に運転ができるうえ、狭い駐車スペースにも車を停めやすいでしょう。通勤や買物といった日常シーンで頻繁に自動車を使う方には、メリットを実感する機会が多くあるといえます。
軽自動車の規格や、排気量が上げられない理由、軽自動車と普通自動車の具体的な違いについて解説しました。軽自動車には、小回りのよさや維持費の安さといったメリットがあります。しかし、自動車のパワーや車内スペースの広さなどでは普通自動車に劣る一面も。利便性、維持費、パワー、乗り心地など、自分にとって何を優先させるべきなのかをふまえた上で検討すると、最適な軽自動車を選ぶことができるでしょう。