取り回しのよさが魅力!軽自動車の規格について学んでおこう
コンパクトな車体と取り回しのよさが魅力的であり、現在も高い人気を誇る軽自動車。軽自動車の規格には古くからの歴史や秘密が隠されており、規格について学ぶことでより軽自動車への理解を深めることができます。そこで、この記事では軽自動車の規格の歴史から現在に至るまでの変遷について詳しく解説します。
軽自動車の規格
1949年7月に軽自動車の規格が誕生し、普通自動車や大型車などと区別する際に用いられているようです。軽自動車の規格は車体の形状や大きさ、重量などが主な判断基準となります。
軽自動車の規格の変遷
軽自動車の歴史は昭和から始まり、現在と過去では規格が大きく異なります。誕生したばかりの当初の規格は全長2.8m以下、幅は1.0m以下、高さ2.0m以下で排気量は150㏄以下のものが適用されていました。その後の1954年には排気量が360m以下にまで引き上げられ、1978年の改定で幅が1.4m以下、1989年の改正では全長3.3m以下、排気量660㏄以下になるなど規格改定を繰り返し現在の規格へと近づいていきます。そして、1998年の改正により現在の規格である全長3.4m以下、幅1.48m以下、高さ2m以下、排気量660㏄以下となりました。
国内独自の規格
軽自動車の規格は日本の自動車業界の技術・発展から誕生した国内独自の車両規格です。現在でも限られた規格の中で各メーカーが創意工夫を凝らし、軽自動車は独自の進化を続けています。
軽自動車の排気量はどうして上げられないの?
軽自動車の規格については度々賛否の声が上がっており、中でも「どうして排気量が上げられないのか?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。そこで、軽自動車規格の排気量を上げられない理由について解説します。
普通車と区別できなくなる
現在の軽自動車における排気量の規格である660㏄からさらに排気量を上げることができない理由の1つとして、普通自動車と区別できなくなるという点が挙げられます。軽自動車の排気量を上げることにより、普通自動車との区分の必要性が薄れてしまい、結果として双方の差が車体のサイズや重さだけに限られてしまうことが要因とされているようです。
コストが上がる
軽自動車は維持管理のしやすさが魅力的です。維持費が安く、保有コストが低いため、長く乗り回せるといったメリットがあります。排気量を現在より引き上げてしまうことにより、軽自動車の魅力である保有コストの低さが薄れてしまい、軽自動車を選ぶ人が減少してしまう恐れがあります。
税金
軽自動車と他の車の違いを明確に分ける指標となるのは排気量です。軽自動車は排気量を660㏄以下に抑えているからこそ税金面をはじめ、他カテゴリの車にはない恩恵や優遇を受けることが可能となっています。中には排気量が低いものの日常で使用する際には問題がないため、税金対策として軽自動車を選んでいるという人も多くいます。
軽自動車と普通車の規格の違い
一般的な自動車の規格は軽自動車・小型自動車・普通自動車の3種類にわかれており、軽自動車は全長3.4m以下、幅1.48m以下、高さ2m以下、排気量660㏄以下の範囲に含まれる車を指し、基準に収まりきらない車両は他の自動車カテゴリに分類されるようです。
排気量の違い
排気量は車のエンジン性能に比例し拡大するため、軽自動車は普通自動車よりも比較的に気筒数、排気量共に少ないのが特徴です。軽自動車規格の排気量は660㏄以下と定められている一方で、普通自動車規格の排気量は2,000㏄を上回るものと定められています。
規格制定の理由
軽自動車に普通自動車よりも細かく規定が設けられている主な理由としては、軽自動車と他のカテゴリの自動車と区分する必要があるからです。軽自動車は普通自動車と比較するとさまざまな優遇がされています。主な例としては税金や保険であり、軽自動車は安い税金で済みます。また、車検の際に支払う自動車重量税についても軽自動車は5,600円で済むのに対し、普通自動車は2万2,500円を支払う必要があるようです。
軽自動車独自の発展
軽自動車は普通自動車よりも細かく規格が制定されていたこともあり、限られた制限の中で各メーカーによる試行錯誤が繰り返された結果、軽自動車は独自の発展を遂げていきました。軽自動車の規格に収めたまま車内空間の広さを確保し、快適性を向上させるなど、軽自動車の規格を守りつつ理想を追求した結果、新たに誕生したモデルも存在します。また、軽自動車の課題であった運転性の悪さを長年の工夫やアイデアで解消し性能を向上させるなど、軽自動車の開発を通して日本の自動車業界も独自の進化を遂げていきました。
まとめ
この記事では、軽自動車の規格の歴史・変遷、普通車の規格との違いについて解説しました。軽自動車の規格は時代とともに変化しており、1998年の改正により現在の規格となって以降20年以上の月日が経過しましたが、今後規格が改定される可能性もあるかもしれません。軽自動車を購入する際は、ぜひ参考にしてみてください!